【1】はじめに / もくじ [健康法]
≪ は じ め に ≫
血行をよくする方法については、心のもち方からの説明が世の中の主流となっているようです。
・自律神経を構成する交感神経は血管を細くし、血行を悪くする
・もう一つの副交感神経は、反対に作用し、血管を広げて血行をよくする
・副交感神経はリラックスした状態で交感神経より働きがよくなる
→ ストレスを避け、心にゆとりを持つようにすれば血行をよくすることができまる
全身の血行をよくする方法は、ほかにもあります。身体をくまなく動かす、というやりかたです。
このブログは、それを取り上げています。
身体を動かすとなぜ血液とリンパの流れがよくなるのかを「循環のしくみ」から説明し、それに沿った具体的なやり方までを示しました。
この改善法を毎日のように続ければ、【10】で示した血行悪化による弊害に対処できるようになり、健やかに過ごすために欠かせない条件の一つがクリアできます。
ちなみに、この方法であれば、ストレスを受けている状態でも血行はよくなります。
血行がよくなれば、ストレスも解消されるかもしれません。スポーツなどで身体を動かしたあとに気分がすっきりすることが、その可能性を示唆しています。
≪ も く じ ≫
【1】はじめに / もくじ
【2】心臓の力は “直接” 静脈には及んでいない
【3】静脈側の推進力は “5種類”― ポンプ機能に注目 ―
【4】「ポンプ」が働かなければ血液は十分には流れない
【5】「ポンプ」が働けばリンパの流れもよくなる
【6】全身の血行改善法 ― くまなく動かし深い呼吸をする ―
【7】全身の血行をよくする「ミルキング体操」
【8】体 操 の や り 方 と 注 意 点
【9】体 操 が 苦 手 な 方 の た め に
【10】なぜ血行か? ー 血行悪化がもたらす弊害 ー
【11】期待される「血圧」への “好” 影響
【12】この「血行改善法」は誰もが経験済のもの
【13】「呼吸法」は健康法に必須のもの
【注】このブログの引用文の下線・文字強調は投稿者
【2】心臓の力は "直接" 静脈にいは及んでいない [健康法]
例証1.手の甲にある血管(静脈)で心臓の鼓動そのもの
である“脈”を感じない
例証2.家庭用の医学事典から
『・・・毛細血管が終わるあたりでは、もはや
心臓からの推進力はゼロになっています。・・
・』 『家庭の健康と医学大百科』社会保険新報社
例証3.血管の名前も心臓の力の及び具合を表している
「動脈」は、脈が動くと書き、
「静脈」は、脈が静かと書きます。
≪ 血液の推進力は心臓だけではない ≫
【3】静脈側の推進力は“5種類”― ポンプ機能に注目 ― [健康法]
心臓の力が及んでいない静脈側には、5種類の推進力が関わっています。
それらの内で主なものと言えば、2種類のポンプです。「筋ポンプ」「呼吸ポンプ」と名付けられています。
それらの働き方を正確に認識しておくことは、循環のしくみを理解する上でのキーポイントとなります。まず、その「ポンプ」の働き方を説明しておきます。
なお、そのほかの「動脈拍動・右心房内圧・引力」の3種類の推進力については、次の【4】で取り上げます。
1.筋ポンプの働き方 ― 身体を動かすと働く ―
筋ポンプは、骨格筋が動くときの力を利用するもの
です。
骨格筋を動かすとその中の静脈が細くなったり太く
なったりします。細くなると、そこにある血液は押し
出されます。また、太くなる方には血液が流れ込んで来ます。(上図参照)
この繰り返しで静脈の血液を流すしくみ、それが「筋ポンプ」です。
動かす範囲が広い方が静脈の太さの変化が大きくなり、血行はよくなります。
【参考】『筋ポンプ:・・・骨格筋の収縮・・・常に一定の部位が圧迫され,血液が心
臓に向かって押し出される.』『図説 からだの事典』朝倉書店
2.呼吸ポンプの働き方 ― 呼吸をするときに働く―
このポンプは、呼吸をするときに上下に動く横隔膜による圧迫
(腹圧)・弛緩によるものです。
横隔膜が下がると、腹圧がかかります。腹圧がかかると、腹部
の内臓が縮み、その中にある静脈は細くなります。細くなると、
血液が送り出されます。
反対に、横隔膜が上がり腹圧が緩むと、縮んでいた内臓とその
中にある静脈が元に戻ります。静脈の太さが戻ると、そこに、血
液が流れ込んで来ます。(右図参照)
この方式では腹圧が強い方が内臓の伸縮幅が広くなり、その分、血行がよくなりま
す。
その腹圧は、呼吸の深さで変わります。胸式呼吸より深い呼吸となる腹式呼吸の方
が強くかかります。
したがって、このポンプの働きがよくなるのは胸式呼吸より腹式呼吸となります。
【参考】『呼吸ポンプ:吸息時には横隔膜が収縮して下降するために・・・腹腔内圧
が高くなる.・・・腹腔内圧によって押された腹腔内の静脈から血液が
・・・胸腔内へと送りこまれる.
・・・呼息時には腹腔内圧が低下するため,下肢の静脈から腹腔へと血液
が送りこまれる.』『図説 からだの事典』朝倉書店
それらの内で主なものと言えば、2種類のポンプです。「筋ポンプ」「呼吸ポンプ」と名付けられています。
それらの働き方を正確に認識しておくことは、循環のしくみを理解する上でのキーポイントとなります。まず、その「ポンプ」の働き方を説明しておきます。
なお、そのほかの「動脈拍動・右心房内圧・引力」の3種類の推進力については、次の【4】で取り上げます。
1.筋ポンプの働き方 ― 身体を動かすと働く ―
筋ポンプは、骨格筋が動くときの力を利用するもの
です。
骨格筋を動かすとその中の静脈が細くなったり太く
なったりします。細くなると、そこにある血液は押し
出されます。また、太くなる方には血液が流れ込んで来ます。(上図参照)
この繰り返しで静脈の血液を流すしくみ、それが「筋ポンプ」です。
動かす範囲が広い方が静脈の太さの変化が大きくなり、血行はよくなります。
【参考】『筋ポンプ:・・・骨格筋の収縮・・・常に一定の部位が圧迫され,血液が心
臓に向かって押し出される.』『図説 からだの事典』朝倉書店
2.呼吸ポンプの働き方 ― 呼吸をするときに働く―
このポンプは、呼吸をするときに上下に動く横隔膜による圧迫
(腹圧)・弛緩によるものです。
横隔膜が下がると、腹圧がかかります。腹圧がかかると、腹部
の内臓が縮み、その中にある静脈は細くなります。細くなると、
血液が送り出されます。
反対に、横隔膜が上がり腹圧が緩むと、縮んでいた内臓とその
中にある静脈が元に戻ります。静脈の太さが戻ると、そこに、血
液が流れ込んで来ます。(右図参照)
この方式では腹圧が強い方が内臓の伸縮幅が広くなり、その分、血行がよくなりま
す。
その腹圧は、呼吸の深さで変わります。胸式呼吸より深い呼吸となる腹式呼吸の方
が強くかかります。
したがって、このポンプの働きがよくなるのは胸式呼吸より腹式呼吸となります。
【参考】『呼吸ポンプ:吸息時には横隔膜が収縮して下降するために・・・腹腔内圧
が高くなる.・・・腹腔内圧によって押された腹腔内の静脈から血液が
・・・胸腔内へと送りこまれる.
・・・呼息時には腹腔内圧が低下するため,下肢の静脈から腹腔へと血液
が送りこまれる.』『図説 からだの事典』朝倉書店
【4】「ポンプ」が働かなければ血液は十分には流れない [健康法]
血液は、ポンプが働かないと十分には流れないものです。それは「エコノミークラス症候群」を見れば分かります。
この病は、身体を動かさないために起きる血行悪化によって発症します。それは、身体を動かさない、つまり、ポンプが働かないと血行が悪くなることを意味します。
また、この病の予防法は「身体を動かすこと」とされています。それは、身体を動かす、つまり、ポンプを働かせれば十分な血行を確保できることを示しています。
ポンプの影響がこのように大きいのは、3種類あるそれ以外の推進力の中に、全身で働くものがないことによります。
その点を、それらの働き方と共に、見ておきます。
①動脈拍動
『・・・動脈拍動によって常に一定の部位が圧迫され、血液が心臓に向かって押しだされ
る.』 『図説 からだの事典』朝倉書店
動脈は全身にあります。したがって、その拍動によるこの推進力は全身で働いていま
す。
しかし、動脈と静脈が離れているところや動脈が細くなっているところでは、その力は
弱くなってしまいます。
②右心房内圧
『右心房内圧:心室の・・・収縮期には・・・大静脈から血液を引き込む力として働いて
いる.』『図説 からだの事典』朝倉書店
この「右心房内圧」は、心臓近くまで戻っている静脈の血液に対してだけ働く推進力で
あり、全身に及ぶものではありません。
③引 力
『心臓より上、頭や首の血液は引力で自然に戻ってくる。』
『からだのしくみ事典』日本実業出版社
引力は、心臓より上の部分に対しては推進力として働きますが、心臓より下の部分に
対しては、登って心臓へ戻ろうとする血液を下へ引っ張ってしまい、血行の阻害要因と
なります。
①②③のどれをとっても、全身の静脈に働きかけられる推進力はありません。
【余談】血行のポイントを握っているのは静脈側 → 推進力としては心臓ではなくポンプ
静脈側の流れが悪いと、動脈側から流れ込みにくくなるために、血行は悪くなり
ます。いくら心臓が働いていても、そうなります。
反対に、静脈側の流れがよければ動脈側から流れ込みやすくなるために、血行は
よくなります。
血液は、意外に思われるかもしれませんが、静脈側の流れ方、つまり、その主な
推進力である「ポンプ」の働き具合に左右されて流れています。
「血液循環のしくみ」に対する正しい解釈は、このようになります。
この病は、身体を動かさないために起きる血行悪化によって発症します。それは、身体を動かさない、つまり、ポンプが働かないと血行が悪くなることを意味します。
また、この病の予防法は「身体を動かすこと」とされています。それは、身体を動かす、つまり、ポンプを働かせれば十分な血行を確保できることを示しています。
≪ 血行は「ポンプ」の働き具合で、よくもなり、悪くもなる ≫
ポンプの影響がこのように大きいのは、3種類あるそれ以外の推進力の中に、全身で働くものがないことによります。
その点を、それらの働き方と共に、見ておきます。
①動脈拍動
『・・・動脈拍動によって常に一定の部位が圧迫され、血液が心臓に向かって押しだされ
る.』 『図説 からだの事典』朝倉書店
動脈は全身にあります。したがって、その拍動によるこの推進力は全身で働いていま
す。
しかし、動脈と静脈が離れているところや動脈が細くなっているところでは、その力は
弱くなってしまいます。
②右心房内圧
『右心房内圧:心室の・・・収縮期には・・・大静脈から血液を引き込む力として働いて
いる.』『図説 からだの事典』朝倉書店
この「右心房内圧」は、心臓近くまで戻っている静脈の血液に対してだけ働く推進力で
あり、全身に及ぶものではありません。
③引 力
『心臓より上、頭や首の血液は引力で自然に戻ってくる。』
『からだのしくみ事典』日本実業出版社
引力は、心臓より上の部分に対しては推進力として働きますが、心臓より下の部分に
対しては、登って心臓へ戻ろうとする血液を下へ引っ張ってしまい、血行の阻害要因と
なります。
①②③のどれをとっても、全身の静脈に働きかけられる推進力はありません。
【余談】血行のポイントを握っているのは静脈側 → 推進力としては心臓ではなくポンプ
静脈側の流れが悪いと、動脈側から流れ込みにくくなるために、血行は悪くなり
ます。いくら心臓が働いていても、そうなります。
反対に、静脈側の流れがよければ動脈側から流れ込みやすくなるために、血行は
よくなります。
血液は、意外に思われるかもしれませんが、静脈側の流れ方、つまり、その主な
推進力である「ポンプ」の働き具合に左右されて流れています。
「血液循環のしくみ」に対する正しい解釈は、このようになります。
【5】「ポンプ」が働けばリンパの流れもよくなる [健康法]
1.リンパ管は心臓に直結していない
リンパ管は、心臓には直結していません。なぜなら、この管は身体のいたるところか
ら始まり肩にある鎖骨下で静脈に合流しているからです。
したがって、リンパの流れには、心臓の力は直接及びようがありません。
【参考】『全身のリンパ管は、しだいに合流しながら最後は一本の管になり、鎖骨下静
脈に流れ込む。』 『からだのしくみ事典』日本実業出版社
2.リンパ液も静脈側の推進力で流れている
『リンパ液が流れる動力源になっているのが、筋肉。体を動かすたびに収縮する筋肉に
押されて、リンパ管も縮められ、リンパ液が上へと押し上げられる・・・。』
リンパ液は、「右心房内圧」を除く、静脈側の推進力で流れています。
3.ポンプを働かせればリンパの流れもよくなる
リンパ液が静脈側と同じ推進力で流れているとなると、ポンプを働かせれば、リンパ
の流れもよくなることになります。
≪「筋ポンプ」と「呼吸ポンプ」とを全身に働かせれば
血液とリンパの流れを "くまなく" よくすることができる ≫
リンパ管は、心臓には直結していません。なぜなら、この管は身体のいたるところか
ら始まり肩にある鎖骨下で静脈に合流しているからです。
したがって、リンパの流れには、心臓の力は直接及びようがありません。
【参考】『全身のリンパ管は、しだいに合流しながら最後は一本の管になり、鎖骨下静
脈に流れ込む。』 『からだのしくみ事典』日本実業出版社
2.リンパ液も静脈側の推進力で流れている
『リンパ液が流れる動力源になっているのが、筋肉。体を動かすたびに収縮する筋肉に
押されて、リンパ管も縮められ、リンパ液が上へと押し上げられる・・・。』
『からだのしくみ事典』日本実業出版社
リンパ液は、「右心房内圧」を除く、静脈側の推進力で流れています。
3.ポンプを働かせればリンパの流れもよくなる
リンパ液が静脈側と同じ推進力で流れているとなると、ポンプを働かせれば、リンパ
の流れもよくなることになります。
≪「筋ポンプ」と「呼吸ポンプ」とを全身に働かせれば
血液とリンパの流れを "くまなく" よくすることができる ≫
【6】全身の血行改善法 ― くまなく動かし深い呼吸をする ― [健康法]
1.適しているのは“体操”
二種類のポンプのうち、筋ポンプには、身体を動かし
た辺りだけで働くという特性があります。手首を動かせ
ば手首の辺りだけで、足首を動かせばその辺りだけで働
く、というものです。
したがって、そういう特性を持つ筋ポンプを全身で働かせるためには、“くまなく”
身体を動かさなければならなりません。
その方法としては、“体操”が適しています。
2.筋ポンプの活用は「ストレッチ」で
体操は、連続して身体を動かすものと、動かし終わったところで少し止めている、と
いう二通りのやり方があります。
血行がよくなるのはどちらかと言えば、後者です。
なぜなら、しばらく止めていると、その間に、静脈が細くなっている方の血液は最後
の一滴(?)まで送り出され、太くなっている方には十分に血液を流れ込ませることが
できるからです。
それを実現できる体操には、動かし終わったところでしばらく止めている「ストレッ
チ」が適していることになります。
3.呼吸ポンプの活用は「呼吸法」で
呼吸ポンプは、腹圧が強い方がより多くの血液を流せるものでした。
(このブログの【3】参照)
腹圧が強くかかるのは胸式呼吸より腹式呼吸です。そして、それより強く腹圧をか
けられるものに「呼吸法」があります。
呼吸法では、強く腹圧がかかるだけではありません。
腹圧をかけたままの状態を数秒間維持しますので、それが、動かし終わったところ
でしばらく止めている、ストレッチでもたらされるものと同じ効用をもたらします。
腹圧をかけたままの状態をしばらく維持する方が、確実に、血行がよくなります。
≪「ストレッチ」と「呼吸法」とによる“体操”で効率よく
全身の血液とリンパの流れをよくすることができる ≫
二種類のポンプのうち、筋ポンプには、身体を動かし
た辺りだけで働くという特性があります。手首を動かせ
ば手首の辺りだけで、足首を動かせばその辺りだけで働
く、というものです。
したがって、そういう特性を持つ筋ポンプを全身で働かせるためには、“くまなく”
身体を動かさなければならなりません。
その方法としては、“体操”が適しています。
2.筋ポンプの活用は「ストレッチ」で
体操は、連続して身体を動かすものと、動かし終わったところで少し止めている、と
いう二通りのやり方があります。
血行がよくなるのはどちらかと言えば、後者です。
なぜなら、しばらく止めていると、その間に、静脈が細くなっている方の血液は最後
の一滴(?)まで送り出され、太くなっている方には十分に血液を流れ込ませることが
できるからです。
それを実現できる体操には、動かし終わったところでしばらく止めている「ストレッ
チ」が適していることになります。
3.呼吸ポンプの活用は「呼吸法」で
呼吸ポンプは、腹圧が強い方がより多くの血液を流せるものでした。
(このブログの【3】参照)
腹圧が強くかかるのは胸式呼吸より腹式呼吸です。そして、それより強く腹圧をか
けられるものに「呼吸法」があります。
呼吸法では、強く腹圧がかかるだけではありません。
腹圧をかけたままの状態を数秒間維持しますので、それが、動かし終わったところ
でしばらく止めている、ストレッチでもたらされるものと同じ効用をもたらします。
腹圧をかけたままの状態をしばらく維持する方が、確実に、血行がよくなります。
≪「ストレッチ」と「呼吸法」とによる“体操”で効率よく
全身の血液とリンパの流れをよくすることができる ≫
【7】全身の血行をよくする「ミルキング体操」 [健康法]
ここでは、投降者が1992年から続けている所要時間20分弱の立って行う体操を一例として紹介します。のちに、寝ころがって行うものも紹介します。
ポイントは、1回/日を毎日のように続けることです。
なお、身体をくまなく動かすことを目的とするこの体操には、通常取り入れられることが少ない、眼筋ストレッチ、耳のマッサージ、肛門筋をすぼめる、などのポーズも含まれています。
体操の名前は、ここから取りました。
『ミルキングアクション(milking action)
筋肉の収縮・弛緩が血管を圧迫して、末梢の静脈血の遷流量を増加する、末梢心臓と
もいう働きで、筋(肉)ポンプ(muscle pump)とも呼ぶ。』 『イミダス』 集英社
ポイントは、1回/日を毎日のように続けることです。
なお、身体をくまなく動かすことを目的とするこの体操には、通常取り入れられることが少ない、眼筋ストレッチ、耳のマッサージ、肛門筋をすぼめる、などのポーズも含まれています。
体操の名前は、ここから取りました。
『ミルキングアクション(milking action)
筋肉の収縮・弛緩が血管を圧迫して、末梢の静脈血の遷流量を増加する、末梢心臓と
もいう働きで、筋(肉)ポンプ(muscle pump)とも呼ぶ。』 『イミダス』 集英社
【8】体操のやり方と注意点 [健康法]
1.ストレッチのやり方
・足は肩幅程度に開く
開く幅はポーズにより変えても構いません。
・動かし終わったところで止めている長さはポーズにより2~4呼吸程度
・反動をつけない
・動く範囲一杯まで動かす
2.呼吸法のやり方
・動作に合わせず、呼吸法のみを単独で行う
・鼻からゆっくり息を吸う(目標:10秒程度)
胸を広げ、お腹は引っ込み気味で
胸が一杯になるまで吸う
・すぼめた口からゆっくり息を吐く(目標:15秒程度)
・吐き始めたらすぐに腹圧をかけ、吐き終わるまでかけ続ける
この腹圧が呼吸ポンプの効率を左右します。
腹圧がかかっているかどうかは、お腹が膨らんでいるかどうかで判断できます。
3.注 意 点
この体操は激しく身体を動かすものではありません。したがって、注意する点はあま
りありません。一般的に言われているものを参考に、そのいくつかを挙げておきます。
・そのときの体調に合わせ、無理をしない
・食後30分は避ける : 消化を妨げないため
・事前にトイレへ行く : 呼吸法で腹圧をかけるため
・アルコールが入っているときは避ける
・服装は普段着で、動きやすいもの
・足は肩幅程度に開く
開く幅はポーズにより変えても構いません。
・動かし終わったところで止めている長さはポーズにより2~4呼吸程度
・反動をつけない
・動く範囲一杯まで動かす
2.呼吸法のやり方
・動作に合わせず、呼吸法のみを単独で行う
・鼻からゆっくり息を吸う(目標:10秒程度)
胸を広げ、お腹は引っ込み気味で
胸が一杯になるまで吸う
・すぼめた口からゆっくり息を吐く(目標:15秒程度)
・吐き始めたらすぐに腹圧をかけ、吐き終わるまでかけ続ける
この腹圧が呼吸ポンプの効率を左右します。
腹圧がかかっているかどうかは、お腹が膨らんでいるかどうかで判断できます。
3.注 意 点
この体操は激しく身体を動かすものではありません。したがって、注意する点はあま
りありません。一般的に言われているものを参考に、そのいくつかを挙げておきます。
・そのときの体調に合わせ、無理をしない
・食後30分は避ける : 消化を妨げないため
・事前にトイレへ行く : 呼吸法で腹圧をかけるため
・アルコールが入っているときは避ける
・服装は普段着で、動きやすいもの
【9】体操が苦手な方のために [健康法]
健康で過ごすためには、何らかの方法で「筋ポンプ」と「呼吸ポンプ」とを働かせ、全身の血行をよくしておかなければなりません。それを避けて通ることはできません。
しかしながら、そうは言っても、体操は苦手という方もおられます。そういう方のために、“赤ちゃん”と同じように寝転がって行うものを紹介しておきます。
この方法であれば、フトンの中でもできます。
下に掲げるようなポーズを、呼吸法を外さないようにして適宜組み合わせ、それを毎日のように行います。
念頭に置くのは、より多くの筋肉を動かす、動く幅をできる限り広くする、の二点です。
動かし方は、二通りあります。
①動かし終わったところで1~2呼吸止めているもの
それぞれ4~8回程度動かす。行頭に「◎印」。
②動かし続けるもの
止めずに20~30回程度動かす。行頭に「◇印」。
◇ 腰を左右に振る(または、小刻みに動かす)
◎ 尻に力を入れる(片方ずつ、または、両方同時に)
◎ 歩くように足を大きく動かす
◎ 足首の曲げ・反らし
◎ 足の指全体の曲げ・反らし
◎ 両方の膝を立てて、両足を同時に倒す(左へ・右へ)
◎ 〃 腰の上げ下ろし
◎ 足を両腕で抱える(片足ずつ。腰の筋肉伸ばし)
◎ 顔を横に向ける(左に・右に)
◎ 肩の上げ下げ(上下に、次に、頭方向へ・足方向へ)
◎ 両腕を伸ばし、ねじる(内側へ・外側へ)
◎ 手首の曲げ・反らし(両腕を同時に)
◎ 手の指全体の曲げ・反らし( 〃 )
呼吸法(2~4呼吸程度)
眼筋ストレッチ (右図参照)
◆うつ伏せで
◎ 腰を左へ・右へ
◇ 腰を左右に動かし続ける
しかしながら、そうは言っても、体操は苦手という方もおられます。そういう方のために、“赤ちゃん”と同じように寝転がって行うものを紹介しておきます。
この方法であれば、フトンの中でもできます。
下に掲げるようなポーズを、呼吸法を外さないようにして適宜組み合わせ、それを毎日のように行います。
念頭に置くのは、より多くの筋肉を動かす、動く幅をできる限り広くする、の二点です。
動かし方は、二通りあります。
①動かし終わったところで1~2呼吸止めているもの
それぞれ4~8回程度動かす。行頭に「◎印」。
②動かし続けるもの
止めずに20~30回程度動かす。行頭に「◇印」。
≪ ポ ー ズ の 例 ≫
◆仰向けに寝て◇ 腰を左右に振る(または、小刻みに動かす)
◎ 尻に力を入れる(片方ずつ、または、両方同時に)
◎ 歩くように足を大きく動かす
◎ 足首の曲げ・反らし
◎ 足の指全体の曲げ・反らし
◎ 両方の膝を立てて、両足を同時に倒す(左へ・右へ)
◎ 〃 腰の上げ下ろし
◎ 足を両腕で抱える(片足ずつ。腰の筋肉伸ばし)
◎ 顔を横に向ける(左に・右に)
◎ 肩の上げ下げ(上下に、次に、頭方向へ・足方向へ)
◎ 両腕を伸ばし、ねじる(内側へ・外側へ)
◎ 手首の曲げ・反らし(両腕を同時に)
◎ 手の指全体の曲げ・反らし( 〃 )
呼吸法(2~4呼吸程度)
眼筋ストレッチ (右図参照)
◆うつ伏せで
◎ 腰を左へ・右へ
◇ 腰を左右に動かし続ける
【10】なぜ血行か? ― 血行悪化がもたらす弊害 ― [健康法]
『血液の働きは、細胞組織に酸素や栄養分を運んだり、・・・二酸化炭素や老廃物を運ぶだけではなく、細菌から体を守ったり、出血を止めたり、体温を調節したりと、さまざまだ。』 『からだのしくみ事典』 日本実業出版社
栄養を必要とするのは身体を作っている60兆個の細胞です。血行が悪く、栄養が届
けられない細胞は、栄養不足となってしまいます。
栄養不足解消には、食べ方だけでなく、血行面も考慮されなければなりません。
2.エネルギー不足を招く
私たちが活動するときに使うエネルギー(生命エネルギー)は、細胞一つひとつが
作っています。
そのとき、酸素が使われます。
血行が悪いと酸素が足りなくなり、十分なエネルギーを作れなくなってしまいます。
3.体温が低いまま放置される
体温の調節は、高いところで温まった血液が低いところへ流れて行ったときにその辺
りを温める、という形で行われています。
血行が悪いところには体熱が運ばれて来ないために、体温上昇を望めなくなります。
4.内臓などの働きに支障を来たす
ホルモンは血液中に分泌され、流れて行って組織や内臓などの器官の働き方を変える
ための情報を伝える役割を担っています。
血行が悪いと、そこには情報が伝わらなくなり、組織や器官が思うように働かなくな
ります。
5.体内の環境が悪化する
血液は、体内で作り出される老廃物を運び出す役割も担っています。
それが運び出されないと、細胞は汚物に囲まれて生活しなければなりません。そうい
う環境に置かれた細胞は、元気を失い、担っている役割を果たせなくなります。
そうした細胞が多くなると、体調不良となり、やがては、病気になってしまいます。
外敵から身を守る免疫機能やガン細胞をやっつける役割などは、主に、白血球が担っています。
血行が悪いと、白血球の見回り回数が減ったり、ウイルスなどとの闘いが始まっても援軍が駆けつけられなくなったりして不利な闘いを強いられ、発病の率が高くなります。
≪ "運 搬 面" で 起 き る 弊 害 ≫
1.栄養不足を招く栄養を必要とするのは身体を作っている60兆個の細胞です。血行が悪く、栄養が届
けられない細胞は、栄養不足となってしまいます。
栄養不足解消には、食べ方だけでなく、血行面も考慮されなければなりません。
2.エネルギー不足を招く
私たちが活動するときに使うエネルギー(生命エネルギー)は、細胞一つひとつが
作っています。
そのとき、酸素が使われます。
血行が悪いと酸素が足りなくなり、十分なエネルギーを作れなくなってしまいます。
3.体温が低いまま放置される
体温の調節は、高いところで温まった血液が低いところへ流れて行ったときにその辺
りを温める、という形で行われています。
血行が悪いところには体熱が運ばれて来ないために、体温上昇を望めなくなります。
4.内臓などの働きに支障を来たす
ホルモンは血液中に分泌され、流れて行って組織や内臓などの器官の働き方を変える
ための情報を伝える役割を担っています。
血行が悪いと、そこには情報が伝わらなくなり、組織や器官が思うように働かなくな
ります。
5.体内の環境が悪化する
血液は、体内で作り出される老廃物を運び出す役割も担っています。
それが運び出されないと、細胞は汚物に囲まれて生活しなければなりません。そうい
う環境に置かれた細胞は、元気を失い、担っている役割を果たせなくなります。
そうした細胞が多くなると、体調不良となり、やがては、病気になってしまいます。
≪ "病の予防面"で発生する弊害 ≫
外敵から身を守る免疫機能やガン細胞をやっつける役割などは、主に、白血球が担っています。
血行が悪いと、白血球の見回り回数が減ったり、ウイルスなどとの闘いが始まっても援軍が駆けつけられなくなったりして不利な闘いを強いられ、発病の率が高くなります。
【11】期待される「血圧」への“好”影響 [健康法]
1.血行を変えて測定する実験結果より
血行をよくしたり悪くしたりして血圧を測定すると、血行がよい方が、血圧が低くな
ります。
この結果は、血行をよくすれば血圧は下がる、ということを暗示しているように思わ
れます。
①血行を変える方法
腕で行う。
腕を心臓より下に持っていくと、手の甲の静脈が太くなります。
→ 血行が悪くなっている
腕を心臓より上に持っていくと、手の甲の静脈が細くなります。
→ 血行がよくなっている
②血圧測定方法
腕に血圧計をつけ、まっすぐ下に降ろしたり、上に伸ばしたりして測定。
この場合、コレステロールの血管壁への附着具合、血管の硬化度などの血圧に影響
を及ぼす条件は、すべて同じです。
異なるのは血行のみであり、血行の血圧への影響を確認できます。
③測定結果
上 下
腕を下げる(血行が悪い場合) 132 84
腕を上げる(血行がよい場合) 102 56
差 30 28
2.血行をよくすれば高血圧の原因の一つを取り除ける?
『食塩をとり過ぎると・・・血液中のナトリウムも増える。それを薄めようとして、水
分が血液中に引き込まれるため、血液の全体量が増えて・・・血圧が高くなる。』
その血液量の増大は、血行が悪いときにも発生します。血行が悪いと、心臓から送り
出された血液は静脈側へ流れ込みにくいために、取りあえず、動脈側に滞留することに
なります。それが、動脈内の血液量の増大をもたらします。
血行をよくすれば、それを解消できます。
血行をよくすることも、高血圧解消の有効な方法となるのではないでしょうか。
3.投稿者の血圧安定
血圧は年齢と共に高くなると言われていま
す。
しかし、投稿者の血圧は72歳の時点でも
変わりません。血行をよくする「ミルキン
グ体操」継続の効用、と推測しています。
平均 上:116.4 下:71.2(グラフの横棒)
血行をよくしたり悪くしたりして血圧を測定すると、血行がよい方が、血圧が低くな
ります。
この結果は、血行をよくすれば血圧は下がる、ということを暗示しているように思わ
れます。
①血行を変える方法
腕で行う。
腕を心臓より下に持っていくと、手の甲の静脈が太くなります。
→ 血行が悪くなっている
腕を心臓より上に持っていくと、手の甲の静脈が細くなります。
→ 血行がよくなっている
②血圧測定方法
腕に血圧計をつけ、まっすぐ下に降ろしたり、上に伸ばしたりして測定。
この場合、コレステロールの血管壁への附着具合、血管の硬化度などの血圧に影響
を及ぼす条件は、すべて同じです。
異なるのは血行のみであり、血行の血圧への影響を確認できます。
③測定結果
上 下
腕を下げる(血行が悪い場合) 132 84
腕を上げる(血行がよい場合) 102 56
差 30 28
2.血行をよくすれば高血圧の原因の一つを取り除ける?
『食塩をとり過ぎると・・・血液中のナトリウムも増える。それを薄めようとして、水
分が血液中に引き込まれるため、血液の全体量が増えて・・・血圧が高くなる。』
成人病の基礎知識』日本成人病協会 監修
この説明によれば、「血液量の増大」も高血圧の原因になります。その血液量の増大は、血行が悪いときにも発生します。血行が悪いと、心臓から送り
出された血液は静脈側へ流れ込みにくいために、取りあえず、動脈側に滞留することに
なります。それが、動脈内の血液量の増大をもたらします。
血行をよくすれば、それを解消できます。
血行をよくすることも、高血圧解消の有効な方法となるのではないでしょうか。
3.投稿者の血圧安定
血圧は年齢と共に高くなると言われていま
す。
しかし、投稿者の血圧は72歳の時点でも
変わりません。血行をよくする「ミルキン
グ体操」継続の効用、と推測しています。
平均 上:116.4 下:71.2(グラフの横棒)
【12】この「血行改善法」は誰もが経験済みのもの [健康法]
ここで紹介している二種類のポンプの活用による「血行改善法」は、
赤ちゃんも実践しています。
赤ちゃんは・・・・・
手足をばたつかせることで「筋ポンプ」を働かせています。
また、大声で泣くことで「呼吸ポンプ」を働かせています。
大声で泣くと、その都度腹圧がかかり、それが呼吸ポンプとなり
ます。
赤ちゃんがポンプを活用しているということは、私たちも、それを実
践し、その恩恵を受けて成長してきていることになります。
この血行改善法は誰もが経験済みのもので、特殊なものでも、縁のな
いものでもありません。
【13】「呼吸法」は健康法に必須のもの [健康法]
呼吸法は一般に、宗教に関係するもの、何か特殊なもの、などと思われているようです。
しかし、呼吸法はそういうものではなく、腹部の内臓の血行を左右する「呼吸ポンプ」の働きを最もよくするもので、健康法にはなくてはならないものです。
1.呼吸法で働きがよくなる呼吸ポンプ
呼吸ポンプは腹圧が強い方が、働きがよくなるものでした。
(このブログの【3】参照)
その腹圧は、胸式呼吸・腹式呼吸・呼吸法の順に強くなります。
したがって、呼吸ポンプの働きが最もよくなるのは「呼吸法」、となります。
2.呼吸法の必要性
ところで、呼吸は時に浅くなることがあります。浅い呼吸による弱い腹圧が続くと、
内臓のどれか、あるいは、内臓のどこかに血行が悪くなるところが出てくる可能性が高
くなります。
日常生活で時々起きる浅い呼吸による弊害は、解消しておかなければなりません。
それを効率よくできるものが「呼吸法」です。
病の多くが発生する内臓に対する“唯一”とも言える養生法、それが、呼吸法に対する
正しい位置付けとなります。
【余談】内臓配置の妙
呼吸ポンプの存在を知ると、内
臓配置の巧みさに驚かされます。
内臓は、動き続けているもの
と、そうでないものとに分けて
配置されています。
動き続けている心臓と肺は胸
(部)にあります。
そのほかの動き続けていないものはすべて、腹(部)に集められています。そこ
にある胃や腸は食べたものが通るときは動きますが、それ以外では動きません。そ
のほかの肝臓・腎臓などは、もともと、動かないものです。(上図参照)
動き続けていない内臓は外から力を加え、動かし続けなければ、血行が悪くなっ
てしまいます。
その可能性がある内臓は、呼吸をするたびに働く「呼吸ポンプ」によって一斉に
動かし続けることができるように、腹(部)に集められています。
すべての内臓の血行は、このように配置されていることで保たれています。
まさに、「内臓配置の妙」と言えます。
しかし、呼吸法はそういうものではなく、腹部の内臓の血行を左右する「呼吸ポンプ」の働きを最もよくするもので、健康法にはなくてはならないものです。
1.呼吸法で働きがよくなる呼吸ポンプ
呼吸ポンプは腹圧が強い方が、働きがよくなるものでした。
(このブログの【3】参照)
その腹圧は、胸式呼吸・腹式呼吸・呼吸法の順に強くなります。
したがって、呼吸ポンプの働きが最もよくなるのは「呼吸法」、となります。
2.呼吸法の必要性
ところで、呼吸は時に浅くなることがあります。浅い呼吸による弱い腹圧が続くと、
内臓のどれか、あるいは、内臓のどこかに血行が悪くなるところが出てくる可能性が高
くなります。
日常生活で時々起きる浅い呼吸による弊害は、解消しておかなければなりません。
それを効率よくできるものが「呼吸法」です。
病の多くが発生する内臓に対する“唯一”とも言える養生法、それが、呼吸法に対する
正しい位置付けとなります。
≪「呼吸法」なくして健康法と言うなかれ ≫
【余談】内臓配置の妙
呼吸ポンプの存在を知ると、内
臓配置の巧みさに驚かされます。
内臓は、動き続けているもの
と、そうでないものとに分けて
配置されています。
動き続けている心臓と肺は胸
(部)にあります。
そのほかの動き続けていないものはすべて、腹(部)に集められています。そこ
にある胃や腸は食べたものが通るときは動きますが、それ以外では動きません。そ
のほかの肝臓・腎臓などは、もともと、動かないものです。(上図参照)
動き続けていない内臓は外から力を加え、動かし続けなければ、血行が悪くなっ
てしまいます。
その可能性がある内臓は、呼吸をするたびに働く「呼吸ポンプ」によって一斉に
動かし続けることができるように、腹(部)に集められています。
すべての内臓の血行は、このように配置されていることで保たれています。
まさに、「内臓配置の妙」と言えます。